私たち人間にとって生き甲斐とは何でしょうか。
ある人にとっては家族かも知れない。
ある人にとっては仕事や趣味かもしれない。
本当に人それぞれです。
生き甲斐とは、
「生きることの喜び・張り合い」「生きる価値」を意味します。
物質的にはとても豊かな現代において、今、生き甲斐がないと悩む人が増えています。
年代によってその原因も様々ですが、このコラムでは主に、不惑と言われる40代が抱える”生き甲斐”についての悩みと、そこからすぐにでも脱して生き生きと毎日を過ごせるヒントをお届けします。
40代は生き甲斐について考え始める年代
生き甲斐、つまり生きる価値について、言うまでもなく子供はとくに考えません。
良い意味で、目の前のことをシンプルに楽しんで生きているのが子供たちです。
10代、20代も、勉強に忙しかったり社会に出たばかりで毎日が刺激的、深く考えなくても目の前の勉強や仕事、趣味をこなし、広く交友関係を作り毎日があっという間に過ぎていく年代です。
30代になると、今度は結婚、出産、育児というライフイベントに忙しくなります。
家族を養うために仕事も忙しくなる時期で、育児と仕事で自分のための時間はかなり限られます。
20代の頃に比べ人生経験がある分精神的余裕はあれど、物理的には一番自由が利かない、忙しい年代です。
そして、40代。
人それぞれの生き方の違いが目に見えてくる年代です。
独身を貫く人、離婚する人、退職、転職する人、起業する人など、人それぞれ人生に違いがあり、それはどれが正解、間違いはなく、各人の選択なのだということが分かってきます。
また、友人や親など自分にとって大切な人を亡くす経験をし始めるのもこの年代です。
そんな時ふと、自分の人生について考えるのです。
「自分は何のために生きているんだろう?」
「今の毎日は、自分にとって満たされた、歓びを感じられるものだろうか?」
「自分が生きる価値ってどこにあるんだろう?」
人生経験をある程度積んで成熟したからこそ、他人と自分を客観的に見つめることができるようになったからこそ、これまで特に考えもしなかった「自分自身の人生、生き方」について、想いを馳せるようになります。
生き甲斐について悩む意味
世の中のほとんどの人は人生の大半を、日常に流されるままに”自動操縦”で生きてしまっています。
特に40代ともなれば、ある程度プライベートも仕事も方向性が固まり、良くも悪くも落ち着いてしまうのです。
現代の結婚が主に”安定できること”を主目的に営まれていること、先行き不透明な社会情勢から、変化よりも安全志向を求める風潮が強いこともその理由のひとつですが、そもそも人は”変化”を嫌う生き物です。
ずっと変わらない方が安心で安全だと考え、過去の延長線上にしか自分の未来を描けず、未来を描くことさえしない人がほとんどです。
実はそういった人が、生き甲斐について悩むことはほぼありません。
今のままでいいと考える人にとって、変化を好まない、求めない人にとって、今自分に生き甲斐があろうがなかろうがあまり関係がないのです。
つまり、生き甲斐がないと悩んでいるということは、今のままの人生では嫌だ、人生を変えたいと願っているということです。
自分の人生に真剣に向き合い、より良く生きたいと願っている証であり、とても前向きで素敵なことです。
生き甲斐を持つための3つのステップ
私たちは皆自分で親を選び、この地球で人生を送ることを自ら選択して生まれ、今を生きています。
だからこそ、生きる価値や喜びを見出せないことは辛いことです。
ですが前述のとおり、生き甲斐がないと悩むということは、より良く、歓びをもって人生を生きたいと願うとても前向きな姿勢です。
「私は今やっと、真剣に自分自身の人生を生きたいと願っているんだ」と。
そしてここから必ず、生き甲斐のある喜びのある人生を変えていけるんだと強く意図し、確信を持ってください。
生き甲斐を持つことは、実はとても簡単なことです。
次の3つのステップに沿って考えてみてください。
ステップ1:自分のエネルギー、心の栄養を復活させる
これはいわば、ガソリンの供給です。
例えばうつの時は、”魂が動作停止している”状態です。
こういう時、やる気を出して頑張るとか、新たに〇〇に挑戦すべきと考えるのは全くの逆効果です。
いわばガス欠を起こしている状態ですので、自分のエネルギー、心の栄養を補給することが先決です。
そこに何か新たな努力や挑戦を求める必要はありません。
シンプルに、次のことをやってみて欲しいと思います。
- 音楽を聴く
- 歌を歌う
- 映画や劇を見る
- 旅をする
- 身体に良い食べ物を食べる
ジャンルを問わず、音楽や歌は私たち人間の心に無条件の愛を与えます。
自分がそれを特別好きかどうか、お気に入りの音楽や歌かどうかはあまりこだわらず、流し聴きでも良いので聴いてみてください。
映画を見たり観劇するのもお勧めです。
特に興味を持てなくても、とりあえず何でも良いので見てみてください。
シーンの中の音楽なり台詞なり、必ず一瞬でも、心が震える瞬間があるはずです。
人が変わるのに一番早く効果的なのは、”感動”することです。
おまじないのように同じことを何回も言うとかではなく、感動することが、最も潜在意識に深く入り変化を引き起こします。
少しの距離でもいいから旅をすること、美味しいと感動できる身体に良い食べ物を摂ることも心に振動を与え、とても効果的です。
ある一定の場所にたまった水は腐敗しますが、振動を与え続けるといつまでも清らかなままです。
私たち人間の心と身体も同じです。
ステップ2:身体のメンテナンス
ガソリンチャージが出来たら、今度は車体のメンテナンスです。
運動が得意、不得意関係なく、とにかく身体を動かしてみてください。
特にお金をかけず、近所をランニングやウォーキングしても良いですが、思い切ってスポーツジムに入会してみるのもオススメです。
自分一人だと続かなくても、お金を払うことと、毎週のこのプログラムにだけは参加しよう!と決めることが意外に大きなモチベーションになります。
身体を動かし汗をかくことで、これまで机に座って鬱々と悩んでいた気持ちが自然とほぐれ、少しずつ晴れていきます。
人間の身体の7割は水で出来ています。
体をひとつの水槽だと見立てて、そこに爪楊枝がたくさん浮いてることを想像してください。それが私たちの細胞ひとつひとつだとして、その細胞の向きを体を振動させることで整えることができるというのです。
それだけで本当に、身体が活性化し元気が出てきます。
ステップ3:具体的な活動をスタートする
心と身体のエネルギーチャージが終了したら、いよいよ具体的な活動をスタートする時です。
エンジンをかけて走行する段階です。
今まで全く興味のなかったことでも、意外に夢中になれることがあるかもしれません。
あまり選り好みをせず、人から誘われたり、たまたま受け取ったチラシだったり、そういったタイミングや縁を大切にまずはスタートしてみることをオススメします。
ここで大切なことは、何をするか、ではありません。
とにかく行動を起こしてみることです。
そこに成果やゴールを設定する必要はありません。
恋は心も身体もすべてを活性化し、かけがえのない生き甲斐となり得ます。
まとめ
生き甲斐がないと悩んでいる時期は、どうしても人と接することが億劫になります。
人と自分を比べて落ち込むこともあります。
一人でいたいと思う時は、一人でいれば良いのです。
孤独になることは、自分自身と向き合うために必要なことです。
生き甲斐がないと悩むこと自体、決してネガティブなことではありません。
夜明け前が一番暗いと言われます。
今もし生き甲斐がないと悩んでいるなら、それは新たな人生が始まる予兆だと考えてください。
不安になったり怖くなったり、葛藤したり悩んだりすることは、自分を変えていく大きなチャンスです。
人生100年時代。年齢は関係ありません。
いつ、どのタイミングからでもやり直せるし、今は想像もつかない新たな人生の景色を見ることだって出来るのです。
これからも大いに、自分の生き甲斐について向き合い、考えてみて欲しいと思います。